五稜郭公園の観光に関する詳しい情報を紹介します。
五稜郭公園への入場は無料なんですが、郭内(堀の内側)に入るのは時間制限があります。
五稜郭はなぜ作られたのか、その辺りの歴史や、見どころ、観光する場合の所要時間、トイレの場所、外周の1周に掛かる時間、おすすめのカフェやランチなど。
五稜郭公園に関する情報を、できるだけ分かりやすく紹介しますね!
五稜郭公園の入場料
五稜郭公園は入場無料です。
※公園内の施設、箱館奉行所は有料
開園時間は季節によって異なります。
11~3月:5~18時
ちなみに開園時間というのは、箱館奉行所などがある郭内(堀の内側)へ入れる時間です。
郭外(外周)の部分は常に開放されていて散策自由になっています。
五稜郭はなぜ作られたの?
日本は江戸時代から200年以上にわたって鎖国政策を行っていましたが、1853年(嘉永6)にアメリカのペリー艦隊が来航し日本に開国を要求しました。
翌年の1854年(嘉永7年/安政元年)には日米和親条約が締結され、下田と箱館(※1)が開港することになります。
そこで諸外国との窓口的役割や海岸防備を行う江戸幕府の役所として、箱館奉行所が設置(※2)されます。
しかし、設置場所が函館山の麓(現在の元町公園辺り)だったため、函館山に登った外国人や、海からも丸見えで攻撃を受けやすいなどの理由で移転を検討。
そこで選ばれたのが、現在の五稜郭の場所です。(当時の住所は函館隣村の亀田村でした)
近くには亀田川があり水を取り込みやすいとか、当時の敵の大砲が届かない位置にあるなどが理由です。
諸術調所(しょじゅつしらべしょ)教授役で蘭学者の武田斐三郎(たけだ あやさぶろう)が、箱館に入港していたフランス軍艦の軍人から教えてもらった城塞都市を参考に五稜郭の設計を行いました。
1857年(安政4年)に工事が始まり、ほぼ完成したのが1864年(元治元年)です。
要は、外国からの防衛の意味も兼ねて、奉行所の設置場所として作られたのが五稜郭です。
皮肉にも、外国との争いではなく、国内の争いの舞台になってしまうわけですが・・・。
※1 以前函館は「箱館」の字が使われていました。明治2年の書物で「箱館ヲ函館ト改ム」という記述がありますが、これ以降も混用されていたようです。なので、一応明治2年から「函館」に変わったと言われていますが、いくつかの説があります
※2 箱館奉行所は以前にも設置されていたことがあり、この時は2度目になります。なので復活とか再設置というほうがニュアンス的には正確です
五稜郭の歴史
江戸幕府の役所として設置された箱館奉行所ですが、五稜郭へ移転してわずか4年の1867年(慶応3)に大政奉還が行われます。
江戸幕府第15代将軍の徳川慶喜が政権を朝廷に返上し、江戸幕府が終わりを告げました。
これは同時に、武士の時代の終わりでもありました。
ただ、ここですんなり新しい時代に突入していったわけではなく、新しい時代を作ろうとする「新政府軍」と、幕府を守ろうとする「旧幕府軍」との間で戦争が起こってしまいます。
1868年1月の京都の鳥羽伏見の戦いに始まる、戊辰戦争です。
いくつかの地で衝突が起こりますが、函館が戊辰戦争の最後の舞台になります。
1868年(明治元年)10月26日に旧幕府軍が五稜郭を占拠するものの、翌年の1869年春には新政府軍に攻め込まれ、1869年5月18日に旧幕府軍が降伏し戦争が終わりました。
この戦争を箱館戦争ともいいますが、中でも旧幕府軍新選組(そもそもは京都治安維持のために結成された部隊)の副長・土方歳三(ひじかたとしぞう)が有名です。
最後まで己の信念を貫き、戦いの最中に撃たれて35歳の若さで亡くなりました。
五稜郭タワーには、上写真の土方の銅像があり、土方グッズ(新選組グッズ)なども販売されています。
函館では、この戦争の歴史を後世に伝えることを目的として、土方歳三コンテストやパレードなどを行う「箱館五稜郭祭」が、毎年5月中旬あたりに2日間にわたり開催されます。
箱館戦争終了後の1871(明治4)年に箱館奉行所は解体されました。
その後、1873(明治6)年には五稜郭は陸軍省の管轄になりますが、1914(大正3)年に公園として一般開放されました。
以前は公園内には特に何があるというわけでもなく、私の親が子供のころ(昭和20~30年あたり)は公園内で運動会が行われたそうです。
私が子供のころは友達と野球をやった記憶があります。
2010(平成22)年には、できるだけ当時を再現する形で箱館奉行所が復元され、観光スポットの一つになっています。
五稜郭公園の見どころ
一の橋
まず、五稜郭公園の内部に行くには一の橋を渡って進んでいきます。
この一の橋を渡っていくほうが正面です。
裏口もありますが、観光の場合は電車で来てもバスで来ても、上写真の下のほうから歩いてきて、一の橋を渡って入っていくのが一般的です。
一の橋を渡って正面に見えるのが貸しボート屋さんです。
定員2~4名のボートで、五稜郭公園の堀を一周することができます。
料金:2人:2000円、3人:2500円、4人:2800円
※利用時間は50分以内です。天候によって休業する場合があります
二の橋
貸しボート屋さんの手前にあるのが二の橋。
五稜郭公園の郭内へと向かう橋です。
二の橋を渡り切ると、いよいよ郭内へ入っていきます。
ふじ棚
郭内へ入っていく入口のところにふじ棚があり、5月下旬~6月上旬が見頃です。
五稜郭公園内部
ふじ棚を過ぎて左に曲がり、道なりに中へ入っていくと、五稜郭を設計した武田斐三郎(たけだ あやさぶろう)の顕彰碑があります。
その先へ進むと広場になっていて、左側には兵糧庫、休処、トイレ、大砲、右側には奉行所があります。
大砲は箱館戦争で実際に使われたもの。
兵糧庫は、箱館戦争時に兵糧庫として使われていたとされるもので、戦争終了後も残っていたんですが現在の建物は解体・復元されています。
兵糧庫の中には、五稜郭内で見つかった磁器やガラス製品などが展示されていて、毎年8月の1ヶ月間だけ一般公開され無料で見学することができます。
休処のいたくら柳野では、飲み物やソフトクリーム、奉行所グッズなどを販売しています。
箱館奉行所
五稜郭を観光する際に、五稜郭の城郭とともに、観光のメインの一つとなったのが2010年(平成22年)に復元された箱館奉行所です。
建物の造りや、中の大広間、資料など、見どころ満載ですよ!
季節による違い
五稜郭公園は季節によっても、見どころが異なります。
まずは、やっぱり桜の季節。
五稜郭公園は函館でも有名な桜の名所です。
星型の土塁には約1600本のソメイヨシノが植えられていて見ごたえがあります。
散歩がてら外周を見て回るのもいいですし、土塁から桜を見下ろしたり、桜の葉がかなり近くで見られる場所もあります。
タワーからの眺めもとてもキレイですよ!
ただ、函館の桜はちょうど4月末~5月上旬のゴールデンウィークに見ごろとなるため、函館市民や観光客でかなり混みます。
なので、ゆっくり見るのであれば早朝がおすすめです。
あとは、冬のライトアップ。
だいたい、毎年12月初めから2月の終わりまで五稜星の夢というイベントが行われます。
堀に電球が設置されてライトアップされ、幻想的な雰囲気になります。
こちらもタワーから見るととてもキレイですよ!
あとは紅葉もありますし、五稜郭はいつ来てもおすすめなんですけどね(^^;
五稜郭公園の観光所要時間
五稜郭の一般的な観光は、電車やバスで近くまで来て五稜郭公園に向かい、主に奉行所をメインとして公園内を散策し、五稜郭タワーに上って景色を見るという感じです。
すごく歴史が好きで資料などもじっくり読みながらだとかなり時間がかかりますが、サーっと流し見する感じであれば、2時間くらいあれば十分だと思います。
※公共交通機関を降りてから公園やタワーに向かい、観光して戻ってくるまでを想定した時間です
ただ、五稜郭タワーは、混雑しているとチケットを買ったり、上りのエレベーターに乗るのに待たなければならないことがあるので、状況によってはもっと時間が掛かる可能性はあります。
五稜郭公園のトイレ
五稜郭公園の敷地内にトイレは4つあります。
1.五稜郭公園入口
五稜郭タワー側から五稜郭公園の敷地に入ってすぐ左手にトイレがあります。
2.五稜郭公園内兵糧庫前
五稜郭公園内広場の兵糧庫の前にトイレがあります。
3.五稜郭公園裏口
五稜郭公園裏口の橋を渡って郭内に入ってすぐ右手にトイレがあります。
4.美術館通り沿い
このトイレは五稜郭公園の敷地内にあるものの、トイレの入口は通り側にあります。
ただ、トイレの横から五稜郭公園への出入りができるので、通り側からでも公園内からでもトイレに行くことは可能です。
五稜郭公園一周にかかる時間
五稜郭は、堀の内側は約125,500平方メートルあり、東京ドームの約3倍の広さがあります。
堀の外周は約1.8km(1815m)あり、道は整備されていて、ウォーキングやランニングをする人も多いです。
私も歩いたことがありますが、ときどき写真を撮りながら歩いて23分くらいでした。
私は歩くのはけっこう早いほうなので、普通に歩けばだいたい25分くらいあれば一周できるでしょう。
ところどころに案内版があり、今の地点がどの辺かを確認できます。
ちなみにウォーキングやランニングなどする場合には、衝突事故防止のためにも左回り(反時計回り)が基本となっています。
五稜郭公園近くのカフェ
五稜郭公園近くのカフェでは、六花亭五稜郭店が有名です。
六花亭は帯広から始まった会社(帯広千秋庵という名前で開店)ですが、北海道のいろいろな地域に進出し、六花亭のお菓子は北海道土産の代表格の1つです。
もちろんお菓子なども販売されていますが、カフェスペースがあるので一服することもできます。
五稜郭公園に隣接しているので、ショップスペースからは五稜郭公園の木々も見え、特に桜の季節はすばらしい景色が広がります。
五稜郭公園周辺のランチ
五稜郭公園の近くに、函館では有名な回転寿司の函太郎(かんたろう)があります。
函館はネタも新鮮ですし、回転寿司でも十分美味しいです。
五稜郭公園の正面のほうからだと10分弱くらい歩きます。
奉行所など公園の郭内を見てから行く場合は、裏口から出たほうが近いです。
あとは、五稜郭タワーの向かいにある函館で有名なラーメン屋「あじさい」や、タワーの斜め向かいにあるB級グルメの代表格「ラッキーピエロ」。
五稜郭タワー2階にある、こちらも函館で有名な老舗洋食屋「五島軒」のカレー専門店が周辺のランチでおすすめです。
まとめ
五稜郭公園の観光について紹介しました。
歴史的にはなんとも皮肉な結果になってしまった五稜郭ですが、函館では外せない観光スポットの一つになっています。
市民の憩いの場にもなっていて、ランニングやウォーキングをしている人も多いです。
時間に余裕があれば外周を1周してみるのも、とても気持ちがいいのでおすすめです。
桜の時期は特に混雑しますが、かなり見ごたえがありますよ!
コメント
五稜郭を訪れるにあたって、知りたいことが満載で、しかも優しい(易しい、ではありません)言葉で簡潔にまとめて下さっており、大変助かりました。どれくらい時間配分したらよいか?お食事するならどうしようか?とても参考になりました。(六花亭があるのは知りませんでした)ありがとうございます。来週 初めて函館を訪れます☆
ふじっこさん、初めまして^^
そのようにおっしゃっていただけてとても嬉しいです!
こちらこそ本当にありがとうございます^^
ただ、もしもですが函館山山頂へ行く予定がある場合は、法定定期検査のため11月7日(日)までロープウェイは運休しているので注意して下さいね。バスやタクシーを利用する必要があります。
それでは、良い函館旅行になりますように☆彡